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画像処理を応用して計測する・位置決めをする場合1画素の大きさを精度よくキャリブレーションする必要があります。また装置のカメラを取り付ける場合、装置座標系に対してカメラは必ずある角度傾きます(図5参照)。画像計測では、画像データの中央に対する画素位置を測定して装置座標系の座標値に変換します。画像計測で正確に装置座標系の座標値を得るためには1画素の大きさとカメラの取り付け角度を正確にキャリブレーションする必要があります。 ![]() 図5.装置座標系と画像座標系の関係 |
画素解像度のキャリブレーション |
画像計測では、画像データの中央をカメラ位置と見なし、画像データの中央に対する画素位置を測定して装置座標系の座標値に変換します。即ちカメラ位置 + 画像データ上の相対位置として装置座標系の座標値を求めます。画像データ上での長さを換算するため1画素の大きさを正確にキャリブレーションします。市販されているカメラおよび画像処理システムでは、通常1画素は正方形ではなく、0.5%から2%位違っています。これは100画素以上離れた画像データの計測では1画素以上ずれることを意味します。キャリブレーションを行うと正確な計測が出来ます。 ![]() 図6.画素解像度のキャリブレーション画像データ |
装置に対するカメラ取り付け角度のキャリブレーション |
画像計測では、画像中央に対する画素位置を測定し、この値を長さに変換します。図9から判るように、この時カメラ装置座標系に対して傾いています。装置座標系の座標値を求める時、カメラ取り付け角度に対応する回転を画像座標系に対して行わなければなりません。カメラ取り付け角度は装置のX軸のみ(またはY軸のみ)を移動させて、同一点が画像データ上で移動する軌跡を直線として求め、直線の傾きを角度に変換してキャリブレーションします。X軸を移動して、図7・図8で示すようなマークのある格子点を測定し(測定は3点以上:通常は7〜10点測定)、測定点の軌跡を直線として、最小二乗法で直線を求めます。カメラ取り付け角度は装置座標系での角度です。このため画素解像度のキャリブレーションは完了していなければなりません。 ![]() 図7.カメラ取り付け角度のキャリブレーション(マーク位置を左端で測定) ![]() 図8.カメラ取り付け角度のキャリブレーション(マーク位置を中央左で測定) |
回転テーブルの回転中心位置キャリブレーション |
回転テーブルのキャリブレーションは、画像計測・位置決めで一般的に必要とされるものではありません。しかし画像計測・位置決め装置で回転テーブルが搭載されている場合に簡単で精度のよいキャリブレーション機能です。回転テーブルのキャリブレーションは、図9・図10に示されるように実施されます。 ![]() 図9.回転テーブル中心位置キャリブレーション(テーブル回転角0度で格子を計測) ![]() 図10.回転テーブル中心位置キャリブレーション (テーブル回転を反時計回り、時計回りに回転して格子を計測) ![]() 図11.3枚の画像データを足し合わせた画像データ(回転テーブル中心位置を示す) |
光学系の据え付けと座標系 |
通常画像座標系と装置座標系は図12左上に示す関係となっていますが、光学系の据え付け方向を考慮すると、4つのバリエーションがあります。
![]() 図12.画像座標系と装置座標系の関係 (太い線は画像座標系、細い線は装置座標系を示す) |
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